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ロック礼賛

先日久しぶりにCDを購入した。

宮本浩次さんのアルバム。ロマンス。

 

あなた、木綿のハンカチーフ、赤いスイトピー・・

昭和を代表する歌謡曲のカバーアルバム。

 

影響を受けていた昭和の歌謡曲は自身のバンド、

エレファントカシマシでは封印していたらしく、

幼馴染みの男子同級生で成り立つエレカシは自身曰く「シックな感じ」だと言っていた。

シックな感じに歌謡曲は・・どうかなということで・・。

 

ソロ活動になり、自身に影響を与えた歌謡曲を解放し、

コロナの影響もあって、爆発したらしい。

私はもともとエレカシのファンというよりは、

パフォーマーとしての宮本さんの面白さに魅了される一人。

 

ブルーハーツの甲本ヒロトさん、

RCサクセションの忌野清志郎さんと同様に

不思議な雰囲気を持っている人だと思う。

 

 

 

3人とも共通して感じる雰囲気は

他の人と異なる”違和感”が出ちゃっているところ。

 

変なのか、かっこいいのかよくわからない部分があるのがいい。

今はなんでもわかりやすく、丁寧だから

始める前から結末が見えるくらいのものが多い。

だからわからないということが不安だけになってしまう。

 

よくわからない部分があると想像できる。

周りのファンや、私たちに勝手に”ああだこうだ”言わせてくれて

可能性を広げてくれたり、深みを味わせてくれる。

 

 

見た目から感じる狂気とは裏腹に、

メロディが綺麗だったりして、聴く人の耳に入りやすく、

言葉が胸に刺さる。

 

 

各々がカウンターを大切にしていて、

それが溢れ出ている様が妙で、面白くて、かっこいい。

 

忌野清志郎は

日本語はロックにならない、英語じゃなきゃダメだって

言い切っていた人が多かった時代に

「日本語にだってリズムがあるし、ロックになるんだ」と言って

日本語のイントネーションを基本中の基本にしていた。

 

甲本ヒロトは

その日本語を使って

ドブネズミみたいに美しくなりたい。

写真には写らない美しさがあるから。

と凄い歌詞をつくった。

 

カウンターは主流社会や主流文化に反する態度かな思う。

主流社会を否定するのでもなく、主流にも受け入れてもらいながら、

自分の感じる”これが美しいんだぜ”を

強烈な逆説、反転した価値で表現しつつ

ど真ん中に、芯を捉えている。

 

 

世間が凄いスピードで揺れ動き

昭和の価値観が過去の思い出だけになりそうな時代に

歌謡曲の歌詞、曲自体のもつ素晴らしさを

過去の遺産としてではなく、

現在の日本人に響く表現で

届けてくれる宮本さん

 

いろいろ不安定だと言われるときだけど

音楽やミュージシャンの言葉は正面から向き合ってみると

必要なことが浮かんでくる。

 

ロックは勇気を引き出し、ビシッと背中を押してくれる。