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一滴の魅力

年が明け、1ヶ月。

少しずつ、風通しが変わってくる立春。

大掃除した本棚のおかげで、普段目にするものが変わると

こちらの風通しも変わるのか。

 

もしも、この人がいたら、

今、どんな言葉をなげかけるだろうか?

 

そんなことを思うようになった。

 

久しぶりに

向田邦子のエッセイ・・

 

”森繁の重役読本”

目次をペラペラめくると

 

 

美人をつくるには・・

 

 

に目がとまった。

 

アメリカのジーグフェルドという舞台演出家の

教訓をユーモアで綴っている。

 

 

ジーグフェルドは一見パッとしない小娘でも、三月(みつき)もすると

あっぱれスターとして舞台にたたせてしまう。

 

ジーグフェルドいわく、その秘密は

「自信を持たせること」だという。

 

 

また

ジーグフェルドは、これぞと目をつけた女の子がいると

給与を5倍に引き上げて役をつけ、

 

たえず、

キミはすばらしい

キミは、美人だと力づけて

自信をもたせる。

 

 

叱責する言葉は、抑制に抑制して、

褒める言葉は惜しみなくかける。

 

 

美人と優秀社員は

上に立つ人の頭ひとつでつくり出せるという。

 

 

ジーグフェルドの教訓をお忘れなく、っと結ぶ。

 

 

 

本のまえがきにある

「余白の魅力」という一文に綴った

 

森繁さんへのまなざしが、また良い。

 

こんな一節が書かれている。

 

「余白の魅力

 

・・・・

私は、この人の一滴胡散臭いところが大好きだ。

 

正義を説き純粋な感動をさそいながら、

どこか一%嘘っぱちな、曖昧なところがまじるおもしろさ・・・

 

人間とはこんなものではないだろうかと思う。」

 

 

 

 

最近は少しでも曖昧で、胡散臭さが漂うと、

ものすごい勢いで、人から攻撃されてしまう時代。

 

その完璧さを求めることが、

自分自身にもはね返ってきて

苦しくなる場合が多いのだと思う。

 

 

もう少し

力を抜いて、

人間らしく生きましょう。

 

 

そんな一言をいただいた感じがする。