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サロンワークの魅力

レコードのジャケ買いや本の装丁買いのように

本の帯も、うまいこと書いてあると、つい買ってしまう。

 

 

「考える」の前に観るがある。

観るがなければ、考えるもない。

 

 

そんな帯につられて読んだ

 

「13歳からのアート思考」

 

20世紀、

従来の「ものの見方」に一石を投じた

マティス

ピカソ

カンデンスキー

マルセルデシャン

ジャクソンポロック

アンディウォホール

 

 

彼らのつくったものを、アートという植物に例え、

表現の花、興味のタネ、探求の根という視点から

柔軟に書かれていてとても共感できた。

 

 

伊東美容室で普段デッサンをしているのは、

この”ものの見方”がつくることつながっているからで、

 

 

みるときに、離れてみたり、

鏡越しでみたり、左から、右から、斜め前から、下からっと…いろんな方向から見る。

 

 

ピカソがやったキュビズムは、

 

 

ルネサンス以降長く続いた

 

”一方向からみるという描き方”

から絵画を解放し、

 

多様な見方から絵画を表現したものだった。

 

 

その発想は、画家セザンヌの独自の表現への探求に影響されている。

 

 

 

表現の花と言われる、目に見える部分は、実は興味のタネ、探求の根という

人間の情熱や愛でつながっているのだと思う。

 

 

 

13歳からの~という本は最近多いけど、

この年齢は美術が最も嫌いな教科になる年齢らしい。

 

それまでは、美術は好きな教科の上位に来ているのに・・・・

 

 

技術や知識偏重の教育によって、

自分だけのものの見方、考え方を喪失させてしまっていることが

つくることへの情熱や面白さ、創造性を忘れさせているのかもしれない。

 

さらには、自分の存在がなんなのか印象付けられる頃がこの時期。

大人からみたらまだ小さな世界だけど

自分だけのものの見方を獲得することで生きる自信につながり、

その自信はその後の行動や発言を左右し、人生まで左右する。

 

 

本の著者が

「大人こそが13歳に戻り最優先に学び直す教科は美術」

だと言っていることは、的をついている。

 

 

 

だからこそ、13歳〜の中高生のお客様が来店した時は、

私自身、美容師として一番試されている瞬間だと感じる。

 

 

ヘアを通じてなりたい自分になることは

その子のゆくゆくの将来、

なんらかの自信につながるかもしれない。

 

 

そのドキドキが

 

喜びに変わる瞬間が

 

サロンワークの味わいの一つだと思う。