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立ち返る場所
![](https://ito-salon.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/IMG_1756-rotated.jpg)
6月は雨の多い月。旧暦では「水無月」。
水無月の「無い」は「無い」ではなく「の」という意味で、「水の月」だという説を読んだ。
逆に、梅雨が明けて暑さで水が干上がる時節のために、
「水が無い月」だという説もあるようで・・
田植えが過ぎ、苗がすくすく育つ緑の季節。昔も今も人間には水が欠かせない
昔の人は、生活の中にある自然を大切にし、崇めてきた。
コロナになり感染症の歴史とのつながりから、クローズアップされることがあるルネッサンスは
人間が自然や神々との調和の中にあった「偉大なる古代」の復活を一大理念とする
技術と思想の運動だった。
「技術」を使う職に就く人間にとって、いつの時代にも通用する
古典や立ち返るべき視点、規範がとても大切だと思う。
今ではあまり流行らない「清貧」という美意識を日本人から感じ紹介した、
バチカン報告書には
田んぼや畑、森など
自然との向き合い方が
日本人の「精神性」をつくり、
そういった労を惜しまない姿が貧しくも美しかったと・・
そして、そのような自然のうつろいから
「気づき」が生まれ、科学を深め
工業製品の文化をつくったと報告したと言われる。
それはきっと「手入れ」のことだと思った。
龍ケ崎のような農家さんの多い地域は、都市では忘れられている「手入れ」がまだまだ日常にある。
ああすればこうなるというシステムの中では
生きた人間の記憶から発する
「手入れ」のような、身体性を伴ったクリエイティビティは失われる。
代わりに人工知能のアルゴリズムとディープランニングが信じられるようになる。
だからこそ、人として
人間の身体性が
垣間見れる感覚に
希望の光を見てしまう。