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私たちの追跡 Vol.3
ヘアカットに影響を与えたと言われる
近代建築家の巨匠の一人ル・コルビジェ。
建築家になる前は
画家として創作活動をしていた。
それがピュリズムという活動だった、
ピュリスム(純粋主義)とは、芸術に普遍的な規則を求め
比例と幾何学によって明快な構成をつくりあげるというもの。
1920年には雑誌『エスプリ・ヌーヴォー(新精神)』を創刊し、
機械文明の進歩に対応した「構築と総合」の理念を、
芸術と生活のあらゆる分野に浸透させることを訴えた。
そのエスプリ・ヌーヴォーの中で、こんなことを語っている
「私たち人間には異なる2つの感覚がある。
「第一の感覚」は生の感覚で、全ての人にとって一定であり普遍的なもの。
「第二の感覚」は遺伝的または文化背景に関連づけられるもので、個人的なもの。
分かりやすい例として、
四角い箱を見れば、全ての人には立方体が持つ、
同じ「第一の感覚」が呼び起こされる。
そして、その立方体に黒い幾何学的な点が付いていれば、
特定の文化を背景とする人にはサイコロが思い浮かび、
それに付随して「第二の感覚」が呼び起こされる。
「第一の感覚のみを使った芸術は,
幾何学的な面に優れているが、人間への共鳴要素が一つもない」
そして「第二の感覚」のみに基づく芸術は「造形的基礎のない芸術」であり
ピュリズムの追求は、この二つを整理し、人の感覚の上に成立するもの・・・」
全ての物事に通じる不変性、
特定の環境や時代の物事に通じる固有性。
ピュリズムの宣言文は、
科学と芸術の両立性と精神の共有を主張した
ピュリズムは
科学が持つような厳密な精神でもって芸術を定義した。
純粋な科学の目的が恒常的な研究による
自然の法則の表現であるように
芸術の目的も、不変的なものの研究によると考えた。
こうした観点からピュリズムは
絵画の主題を
日常の物象に求めた。
その形が一つの普遍性を表現していると考え
一般的なもの、普遍的なものへと向かった。
その普遍性はカタチにおける
不変的なもの、恒常的なもの、
時を超えて持続するものを意味した。
そういった、コルビジェのピュリズム思想を紐解くとき
一つの絵画に行き着く。
「暖炉」
続く