blog
私たちの追跡 Vol.23
11月の星空はいろんな光を放ってくれる・・・・
瀬戸内寂聴さんが99年という長寿を全うした。
2007年の小説家50周年の個展を見にいった時の言葉を思い出した・・・
「知ろうとしないことは悪である。行動をおこさないことは認めることである」
「生きることは愛すること。世の中をよくするとか、戦争をしないとか、その根底には愛がある。それを書くのが小説と思う」
ちょうど美容を始めて10数年が過ぎた頃・・とても刺さった言葉だった・・
さまざまな人に影響を受け、与えてもらっている・・・・
古代ギリシャや、ルネサンスの時代を追跡していると
私たちが忘れかけている「知覚」の広がりを持っていたように思える・・
知覚とは、自分を取り巻く世界の情報を、既存の知識と統合しながら解釈すること。
単なる感覚と違い知覚プロセスは2つのステップがあるという・・
1つ目は受容ー感覚器を通じて知覚情報を受容すること
2つ目は解釈ー脳が既存の知識を組み込み、意味づけする・・・
古代ギリシャでは、主観を交えず対照をありのままの姿に見る観照を通じて
様々ことを知覚していた・・
ウィトルウィウス建築書にこんなことが書かれている・・・・
「住家はまずどの方位に、宇宙のどの傾きに、定められているかが配慮されているか・・・・・
何故ならば、土地によって太陽の軌道に近接していたり、あるところでは遠く離れていたり、あるところでは中を採
って平均されいるから・・
地上の広がりに対する宇宙の構造が、星座の環や太陽の運行に従って、自然に様々な状態に配置されているように、家の配置も同じように、天空の違いに対応して方角づけされなければならない・・」
住む場所や方角によって異なる太陽の熱や湿度、寒暖、さまざまな自然の状態によって、人の髪質や肌、声の高い低いなど種族によって異なる性質があることも把握していた古代・・・。
地平線のまわりの東と西のはて、世界の上界と下界が分かれるあたりは、自然に平らな円形をなすようにみえると考えていた。
古代ギリシャの数学者はそれをホリゾーンといった・・・
そしてこれを心に留める時は、北の方角にある縁から南の軸線上にある縁に向かって直線が引かれ、そこから別の斜線が高く北極星へ引かれ・・・・三角図形が宇宙に存在することを知る・・・
古代ギリシャの数学者ピタゴラスさんは現代にも続く様々な調和比を証明した人だった。
そのピタゴラスさんの先輩にあたるのがタレスさん・・
タレスさんは紀元前640年に生まれ、78歳で没したといわれている。ある伝承によれば、彼はフェニキアの出であるとされていて、早くから商業民族の広い視野と活動性を身につけていたと言われる。フェニキアは、古代の地中海東岸に位置した歴史的地域名。シリアの一角だった。
彼の青年時代は生地ミレトス市の勃興期に当たり、エジプトなどと活発に通商活動を行なっていた。商取引に積極的に参加したタレスさんはエジプトに滞在し、そこの新刊から幾何学を学び、ミレトスに帰ってその研究と教育に専心した。
タレスさんはエジプトで幾何学をはじめてギリシャの地にもたらし、多くの事柄も発見したと言われてる・・
そのタレスさんに才能を認められたピタゴラスさんは、オリエントの数学から学んだ。
そのオリエントである、バビロニア(現代のイラク南部)からもたらされた星型は
ピタゴラス教団の紋章になっているという・・
ピタゴラスさんたちの数論では、数はつねに図形において考えられていた・・
数論における単位1は図形における点に対応し、1は”位置のない点”であり、
点は”位置を持つ1”にほかならない・・と考えていた。
こうして単位1の集まりである数は、点の集まりである図形において考察された・・
ピタゴラスさんたちの学派は、最も神聖な数としてテトラクテュスと呼ばれる三角形を特別なものとして考えていた。点のように小石を三角形に並べると、1、3、6、10の系列をなして、それらは全て1にはじまる自然数の和になる。
特に最初の4つの自然数の和が10になっている三角形をテトラクテュスと呼んだ・・
ピタゴラス教団の紋章を作図するには、星形の5つの辺が互いに他を黄金分割すると言う性質を用いてつくらているという・・・・
黄金比率はギリシャ文字ファイ=Φ、古代ギリシャ、ルネサンスでも研究され
外中比、神聖比とも呼ばれていた・・
ルネサンス期の数学者ルカ・パチョーリ(1445〜1517)が、黄金比率の幾何学やアートや建築への応用について書いた著書「神聖比例論」
レオナルドさんはパチョーリと深い親交があったとされ、その著書とイラストまで書いていた・・・・
ルネサンス時代も古代ギリシャ同様に徹底して観察し、見ることを重要視していた結果、
知覚が広がり、様々な技術、アートが生まれてきたのだ思う。
古代ギリシャ、ルネサンスの人たちからの助言によって、感じ方が変わると、学び方も変わる・・
そのことから新鮮な好奇心が生まれ、主観的な”知覚”が広がる・・・
続く
Category
Archive
- 2025年1月(1)
- 2024年12月(2)
- 2023年12月(1)
- 2022年12月(3)
- 2022年11月(2)
- 2022年9月(1)
- 2022年8月(1)
- 2022年6月(2)
- 2022年5月(3)
- 2022年4月(3)
- 2022年3月(6)
- 2022年2月(3)
- 2022年1月(3)
- 2021年12月(5)
- 2021年11月(4)
- 2021年10月(4)
- 2021年9月(5)
- 2021年8月(4)
- 2021年7月(7)
- 2021年6月(4)
- 2021年5月(1)
- 2021年4月(2)
- 2021年3月(1)
- 2021年2月(3)
- 2021年1月(5)
- 2020年12月(5)
- 2020年11月(4)
- 2020年10月(9)