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私たちの追跡 Vol.33
トップアスリートを見ていると、いつも気持ちがいい・・・・・
少しでもはやくなりたいとか、うまくなりたい、挑戦したい、そういう思いの軸を
ずっと持ち続けている姿にはパワーをもらえる・・
失敗や挫折を逆境という言葉に置き換え、乗り越えていく姿・・・
自分にはできるのか?できないのか?という軸ではなく、「こうしたい。ああしたい」という
心構えや、その気持ちの強さ、熱狂は人に伝播する・・・
私たちの追跡Vol.33
古代や過去を主体的にみていくことで、今現在の自分の積み重ねた状況が見えてくる。
理想とする未来を想い描き、そこを起点に現在を振り返って、今するべきことを選択していく・・・
目標設定などでよく使われているというバックキャスティング思考。
これは、その未来が確実視されているような、安定した成長が見込める時には必要な方法だと思う・・
対して現在のようなVUCA(volatility(変動性)uncertainty(不確実性)complexity(複雑性)ambiguity(曖昧性))と言われる不確実性の高い社会では、どんな状況でも柔軟に対応できるためのタフさが必要だと思う
こういったタフさは肉体的、身体的な体力と似ていてる。
スポーツ選手もテクニックだけ学んでも、フィジカルトレーニングを訓練しない選手は力が均衡する勝負では、競り負けてしまう・・・
そういった基礎体力は、積み重ねから身につく原始的な力。
そうしたプリミティブなことから得ることは古今東西問わず、普遍的な力だと思う・・
そういった力は共通するルールに基づき実践されていく。
今回の観察をしていきましょう・・・
上の写真はボッティチェリのヴィーナスの誕生。
下の写真はニューヨークに拠点を持つ現代アーティストの松永智一さんの作品。
松山智一さんは美術を学んだ経験がゼロで2002年に渡米。
独学で自分の表現様式を確立し、今世界で注目されている。
作品のサイズは大型のものも多く
写真の作品は幅6メートル、高さ4メートルを超える作品で
ヴィーナスの誕生は1.72m ×2.78m.
時代も大きさも全然違う2つの作品・・・
松山さんの作品を見た時、なんとなくだけど構図や配置が似ていると感じたのが
ボッティチェリ のヴィーナスの誕生でした。
それぞれの写真に線を引いてみたら・・・・
作品の画面をつくる長方形の短辺を回転させ正方形をつくる技法(ラパットメント)から
正方形の対角線上に人物の目が配置されていました。
対角線上の構図に目を配置する作品は名画によく見られます。
ニューヨクでアーティストとして生きていくために現代美術を一から学び直した松山さんは・・
「ピカソがベラスケス、リキテンスタインがゴッホなどの前時代の傑作をリメイクした作品を見て、
アートの世界ではルールに基づく引用(アプロプリエーション)が長く実践されていることがわかってきた・・」
そんな風に言っていました。
次はもう一つ・・
新古典主義の巨匠ドミニク・アングルと最近注目されている日本の現代アーティストのkyne(キネ)の作品。
長く実践されているルールに基づく引用(アプロプリエーション)・・・・・・・
顔を描く時のルールに基づくが引用がされているのが見え、基本のプロポーションが実践されていることが
確認できます・・・
だから合わせるとピッタリきます。
そういった、ルールに基づく引用は技術の基本であり、その上でようやくそれぞれの表現が生きてくる・・・
お客様から求められ、人が感動することには、みんなが共感できるルールに基づいた引用を土台にすることで
気持ちがいいかたちになる。
ルールに基づく引用(アプロプリエーション)・・・
しっかり身につけていきたい。
続く
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