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私たちの追跡 Vol.36
伊東美容室では架空美術室と題して、毎月一つの題材をデッサンしています。
2022年度も先月2月よりスタートしました。
今伊東美容室でのサロンワークでは、ヘアカットをする前に、お客様の希望をイメージデッサンして
コミュニケーションツールにしています。
もともとは、このお客様へのイメージデッサンをできるようになるための、”描くための習慣づくり”として
2015年から少しずつ始めたのが、模写デッサンでした。
最初はスタッフみんなが描くことに慣れていないので
まずはスケッチブックに鉛筆で描くということの実践から・・・・
モチベーションを維持して実践を継続していくにはいろんな工夫が必要で
営業前にみんなで10秒デッサンをしたりして
上手く描くことよりも、情報として捉える練習したり・・・
一つのモノでも、観る位置や角度が違うと見え方が違うということを理屈でなく
描くという体験から身につけていくということを繰り返していった・・
そんな風に続けていきながら、やっぱりみんなのモチベーションに良い影響だったのは
お客様が見えるように店内に展示することだったと思う・・・・・
人に見られることで、意識が変わり、お客様がいろんな感想を言ってくれるので
次回はもっと頑張ろう・・・・
そんな風に思えた。
それとみんな一緒に展示することで、自分以外の比較対象ができ、人の良い部分や
自分より集中して観察して描いていることがわかると
やっぱり負けていられないという競争意識ができる・・・・
これは自発的な部分で感じることなので、人に言われて煽られるプレッシャー的な競争意識と違って
すごくポチティブなものだった・・・・
そうやっていつの間にか、毎月変わる店内のデッサン展示をお客様が楽しみに来店するようになった。
本当にお客様の存在は有り難い。
そんな毎月のデッサン。2022年はじめの題材は・・・
シュジー・ソリドール
(Suzy Solidor 1900-1983)
パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラック、ラウル・デュフィに藤田嗣治、モイズ・キスリングにヴァン・ドンゲン、マリー・ローランサンやジャン・コクトー・・・・
彼らはみな、彼女の肖像画を制作した画家たちです。
彼女は1920年代を代表する伝説的なシャンソン歌手であると同時に、多くの芸術家が集った当時最先端のキャバレーを経営した人物・・・
フランス・ブルターニュ地方の田舎町サン・マロで私生児として生まれ育ったシュジーは
恵まれたプロポーションを活かすべくモデルになる夢を抱き第一次世界大戦後
狂騒の時代のパリへ・・・
そして画家の前でポーズをとるのと同じくらい彼女が愛していたものはシャンソン。
プロのシャンソン歌手としてデビューするまでに・・・・
今回はその彼女の写真を題材にしています。題材の写真自体も自分でピックアップしてもいいし
共有しているものを使ってもいいし、模写するか
各々の感じたように制作したりと、2022年は自学自習風ではじめています。
来週中に店内に展示予定です。
お楽しみに。
続く