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私たちの追跡 Vol.38

年が明け、春になると、これまでの芽が少しずつ顔を出してくる・・・

 

この数年の実験的取り組み、超主観的古典主義を通じて、ヘアカットが生まれる前の時代に戻って

学び直すことで、物の見方、感じ方が変わってきた。

 

そんな取り組みの一つである伊東美術室では

毎月続けているデッサンも5年ほどで、47点になった。

 

最初は鉛筆の筆圧が薄かったのに、

 

デッサンー2017初期スタッフ作

 

デッサンー2017初期bスタッフ作

 

 

今では主体的に構造や配置、バランスなども取り入れて、

こうしたい、ああしたいという思いを表現したくなってくる・・・

 

デッサンby michikoー2022

 

 

デッサンby miyukiー2022

 

 

感じ方が変わり、学び方が変わると、自然と考え方も変わり、行動が変わってくる。

自然の循環と似ている・・・

 

例えば、雨が降り→ダムに水が入り→川を流れ→海に流れ出る→雲ができる→雨が降る

 

という流れの循環は、人では「知覚→思考→実行」とも置き換えられる・・・

 

そういった一連の循環を考えた時、人の外部入力の最上流にあるのが”知覚”だと言われている。

 

 

現代のような気候変動が大きな時代、急激な雨は、すぐ洪水を引き起こす。

 

 

雨水や降水による氾濫や水土砂災害を引き起こす川の流れに変換するのは

「流域」と言う地形であり、生態系だと言われている

(参考 生きのびるための流域思考 著者 岸由二)

 

 

つまり、氾濫を起こすのは川ではなく、「流域」なのだと・・・

 

 

自然から学ぶと言う古典主義的な発想で、この流域思考を投影すると

人間の行動に置き換えることができる・・・・

 

 

そういった流域に当たる部分が人の知的生産では、知覚になり

「どこに目を向けて、何を感じるのか?」

「感じ取った事実をどう解釈するか?」

 

 

全ては、この初動に大きく左右されてしまう。

 

 

流域にある川や地形・生態系も含めた統合的な見方が流域思考で

人間の「知覚」はこれに似ていると思う・・・

 

 

知覚を研究していた、安宅和人さんんによれば

「知覚は自分の周りの環境を理解するために知覚情報を統合し、解釈すること・・・

知覚は感覚とは別の概念で、視覚・聴覚・触覚・バランス感覚・筋肉感覚など

一つひとつの感覚も知覚の一種だけども、実際にはそれらを統合し、

意味合いを瞬時に把握することができる・・・」

 

こういう瞬時の把握が、サロンワークや、ヘアデザインの心地よさに

影響するのだと思う・・・

 

今、非接触という中で、スマホや画面越しの日常が増え

感覚は目と指のフィルターばかりをつかう。

 

瞬時に把握する知覚はきっと偏ってくる・・・

 

そう言った偏りを調和のフィルターに向かわせるためにも、

さまざま体験をし

新鮮なインプット、アウトプットが必要だと思う・・

 

その先に、ああしたい、こうしたいという思いをカタチに表現することができる。

 

少しずつ芽が出てきている・・・・

 

 

 

続く